FeLV/Fiv ダブルキャリアねこ でかちゃん

発症衰弱してから還ってくるまでの記録

でかちゃん、おうちの中へ。そして獣医に連れて行く。

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2020/12/17撮影

 

 

予想を上回るアッサリ加減で捕獲されたでかちゃん。これまでたくさんねこを捕まえてきたけど、オトナねこでこんなにもあっけなくおうち入りした子は初めて。

ひとまずケージの中へ。自らの置かれた状況がよく飲み込めない(当たり前)様子で、あたりを見回す。とにかく見回す。そしてケージの中から見える、たった今ごはんを食べていた軒先を見る。大抵のオトナねこはここで大パニックを起こすか、とにかく隠れるかの二択。でかちゃんは違った。ひたすら観察した後に、寝た笑笑笑。モフモフクッションに身体を預けまくり、寝た。捕獲された後の初動から規格外だったでかちゃん。

その後も慌てることなく騒ぐことなく、でかちゃんは狭いケージの中で今自分に起こっていることをゆっくりと飲み込むように、観察しては寝るを繰り返していた。

 

翌々日、でかちゃんの身体の状態を客観視してもらうために獣医へ連れて行った。ねこ奴隷として一番気になるのは、あの感染症が陽性か否か。猫白血病ウイルス感染症(FeLV)と猫後天性免疫不全症候群いわゆる猫エイズ(Fiv)だ。幸いなことに、今うちにいる子でキャリアの子はいない。すなわち、わたしはキャリアの子と関わったことがないのだ。だからかな、この二つの感染症の存在がわたしにとって底知れぬ恐ろしさを放っていた。

 

獣医でのでかちゃん、これまたこちらの予想を上回る落ち着きっぷりであれこれ診察を受ける。

体重は…6.36kg???え!でかっ!!

うんちを摂って虫の検査→回虫、うじゃうじゃいるね(想定内)。

そして注目の血液検査。肝臓と膵臓の数値が高め(あるある)。

FeLVとFivは…両方の検査キットに見える赤い縦線。そう。ダブル陽性……

それを聞いたときに一番に、わたしは何を思ったのかな。今やもう思い出せないや。ただ獣医さんがまあまあ沈痛な面持ちでいろんなことを説明してくれたのは思い出せる。優しいんだよ、ここの先生。

白血病エイズ、やっかいなのは白血病の方。今後辿るであろう状態の可能性を細かく説明、でも陰転する可能性もめちゃ高い。インターフェロン治療が主であるんだけど効果は曖昧だ(はっきり言ったよ)、乳酸菌を与えるのが陰転に効果的という事例が多数あるからこれでいきましょう等々。

長い検査診察を終えて駆虫薬と乳酸菌を処方され、帰途につく。わたしは意図して「無」であろうとした。なにかしらの感情を引っ張り出すともう手がつけられないくらいそれが暴れそうだったから。ただ娘にだけメッセージを送った。ダブル陽性だったよ、と。

返ってきた娘のことば

「すご、ねこ病気マスターなれるじゃん、母」

笑笑笑。

何頭かのご主人ねこを送り出した奴隷としても、白血病は初だもんね。そうかー。なにごとも経験てことね。これを体験してみたくて、でかちゃんにつきあってもらってるんだ。そうか、そうなんだー。

暴れ出したくて仕方なかった感情たちはスーッと暮れかけた夕方の空に溶けていった。

獣医の駐車場から車を出した。走り出して一番最初にわたしの車の前についた車のナンバー。

99-99。

目に入った瞬間、ブワッと涙が噴き出した。伝わる人にはきっと伝わる。笑

でかちゃん、わたしたちは次に行くんだね。伴走頼むね。こんなポンコツかあさんだけど。よろしくね。