FeLV/Fiv ダブルキャリアねこ でかちゃん

発症衰弱してから還ってくるまでの記録

2021/9/1 ごはんを食べなくなって4日目のでかちゃん

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2021/4/27撮影

諏訪っ子ふたり(でかちゃんとじみ)が、一緒にお外を眺めている。

 

 


4:30にでかちゃんが嘔吐する音で目が覚めた。

 

でかちゃん、ケージの中のお布団で寝ているときに吐き気を催すと、必ずお布団から下りて吐いていた。律儀というか。綺麗好きなのか。

 

前日夜の「でかちゃん、ごはん食べればいいな」というささやかな希望は、この嘔吐の時点で粉々に砕かれた。

 

午前中は前日同様獣医に行って点滴と抗生剤の投与を行った。このとき体重を測定したら4.75kgだった。なんというエグさで減少しているんだろう…。

 

この日、バイオレゾナンスセラピストのJさんから、波動水が届いた。Jさんに伝えたでかちゃんの状態から予想できる、でかちゃんに必要なあれこれてんこ盛りで転写してくれたお水だ。とってもありがたかった。

 

具合が悪くなり獣医さんで診察を受け、「この3日間が勝負」と言われた3日目がこの日だ。点滴と抗生剤を投与し始めて3日目。でかちゃんの状態はと言うと、わたしの感触としては、何一つ改善しているとは思えなかった。むしろ悪くなっている。そう感じた。この日はもうほとんど自分で動くことはなく、わたしが波動水を与えるときに無理やり起こしていた。トイレにも行かない。自分からお水を飲みに行くこともない。ただひたすら自分のお布団でぐったりと横たわっているだけだった。

 

3日間だけ皮下補液と抗生剤投与を受ける、その後のことはその時に決めよう…と当初考えていた。さあ。どうしようか…。悩んだ。たくさんたくさん悩んだ。

 

結果、9/6の再検査まで、獣医さんに提案された通り点滴も抗生剤も受けようと決めた。この時、何を根拠にそう決めたのか、その心の経緯が全く思い出せない。ただ、苦しそうなでかちゃんを見ているのが辛くて「誰かこの子をなんとかしてあげてよ!!!」みたいなメンタルに陥っていたように感じる。そう。でかちゃんの生き死にの手綱を誰かに丸投げしたい、責任をなすりつけたい、そんな精神状態だったように思う。そのくせ、いっちょまえに「でかちゃんに死なれたらイヤだ…」とも思っていて、わたしの精神状態は大パニックだったのだ。祭りだよ祭り。

 

この日でかちゃんは5回嘔吐していた。ご飯はおろかお水もほとんど摂れておらずなのに、とにかく吐いた。吐いた後のでかちゃんは、当たり前なのだけど、とてもとても苦しそうだった。吐きまくるでかちゃんを目の当たりにして、これがもし点滴を受けていなかったらあっという間に取り返しのつかない脱水状態に一直線なのかな、とぼんやりと考えた。

 

この日摂取させたお水(Jさん特製の波動水)は全部で20ml。これだけ。

 

精神パニック祭り状態でその日眠りについたわたしは、誰かの嘔吐音で深夜に目覚める。「でかちゃん!」とガバッと起き上がってでかちゃんが寝ている方を見るのだけど、でかちゃんの身体は横たわったまま。

え?じゃ誰が吐いてるの?

それも繰り返し連続で5、6回嘔吐している。嘔吐音がする暗がりに目を向ける……。

 

もじゃだ。もじゃが吐いている。

 

その時のわたしはあまりにもくたびれきっており、でかちゃんが吐いているわけではないということを確認しただけでホッとしてしまい、もじゃにはとっても申し訳ないのだけどそのまま再び眠りについてしまった。

 

そして翌朝。

 

もじゃは、朝ごはんを食べにこなかったのだ…。

2021/8/31 ごはんを食べなくなって3日目のでかちゃん

 

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2021/1/24撮影

食欲の塊でしかなかったときのでかちゃん。

 

深夜に一回、早朝に一回、嘔吐でこの日1日が始まったでかちゃん。

 

午前中に獣医に行き、皮下補液と抗生剤投与を行った。獣医から帰ってくると、心なしかスッキリした顔をしているように見えるから不思議だ。ただ、今思うのは、その「スッキリした顔に見える」というのは、「点滴したから」「抗生剤投与したから」大丈夫…というわたしの思い込みというか思い上がりでしかなかったように感じている。

相変わらず、ごはんへの興味はなし。焦りが少しずつ積み重なってきたわたしは、ヤギミルクとちゅーる(という、どんなねこでも大好きな恐るべきジャンクフード笑)を少量、でかちゃんの口の中へ突っ込んだ。それで「食べたい!」という気持ちが刺激されたらよいな、という焦りから生まれたいかにも真っ当に思えるわたしの考えを、でかちゃんに一方的に押し付けた形になってしまっていた。でかちゃんは、おいしそうな顔をするわけでもなく、ひたすら嫌そうに迷惑そうに顔を背けるばかりだった。

この日無理矢理でかちゃんの口の中に押し込んだ食物はヤギミルク15mlとちゅーる1/2本。

 

少し安堵を感じたのは、この日の夕方、ふすまでつめとぎをしていたこと。そしてその後、タワーに上りそこで寝ていたこと。ここ数日動いているでかちゃんを見ることがほとんどなかったので、少しアクティブになっているでかちゃんを見てとてもうれしかったことを覚えている。

 

明朝目覚めて朝ごはんを用意したら、でかちゃんがいつものようにごはんを催促してくれたらいいのにな…とささやか且つ切実に願いながら、わたしは深夜眠りについた。

2021/8/30 でかちゃんの診察結果

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2021/5/21撮影

8月8日にあちらに移転したハハちゃんに枕にされるでかちゃん。

 


でかちゃんとMくんが獣医から帰ってくる。Mくんから、獣医さんの診断結果としてのでかちゃんの状態を詳細に聞く。

 

・血液検査の結果から、激しい炎症状態であることがわかる

・深刻な貧血状態

・ひどい脱水状態

・黄疸も出ている

血栓ができてしまう可能性が高い

・重度な脾臓の腫れ

・総合的に診て、白血病ウイルス感染症の発症と考えられる

・今日から3日間が一つの勝負(→「勝負」とは獣医さん自身の表現)

 

不安と恐怖がてんこもりの診察結果…

獣医さんが提案してくれた治療は「1週間皮下補液と共に抗生剤の投与、その後ステロイドの投与」という方向性だった。9月6日に再検査をする、それまで毎日点滴に通ってくださいとのことだった。

悩んだ…とてもとても久しぶりにこんなに悩んだ。

 

何を悩んだの?

獣医さんの提案通り治療を受ければそれでよい話じゃないの?

 

わたしにとっては「それでよい話」ではちっともなかった。「この3日間が勝負」と獣医さん自身が表現しながら、施すことが補液と抗生剤。わたし自身の感覚的に「3日間より生きている期間を少し延ばすため」だけの施策のようにしか感じられなかった。

 

わたしはどうしたかったか?

でかちゃんが「死」というステージに向かっているのなら、そのサポートをしたい。

でかちゃんが「生」をもぎ取ろうとしているのなら、そのサポートをしたい。

それだけだった。問題は、でかちゃんの意思がどちらなのかがわからないこと。教えてよ、でかちゃん……

獣医さんからの治療提案の中身は、そのどちらでもないとても中途半端なものにしか思えなかった。

 

ひとしきり悩んで出した結論は、獣医さんが言った「3日間」はとりあえず補液と抗生剤投与を受けよう。その後のことは3日後に考えよう、というもの。バイオレゾナンスセラピストのJさんにも連絡し、その旨を伝えた。

 

体重はこの日5.0kgだった。猫白血病ウイルス感染症の持続感染が確定した、半年と少し前の体重は6.14kgだった。20%減。ものすごい減ってしまっている…。

 

帰宅後のでかちゃんは、ずっとぐったりして自分のお部屋で寝ている。もちろん一切食事は受け付けない。少し焦っていたわたしは、獣医で購入した流動食を、少しずつ計4回(全部で60ml)をでかちゃんにシリンジで無理やり突っ込んだ。

 

でも、その後でかちゃんは激しく嘔吐し、わたしに無理やり突っ込まれた流動食をほとんど全て出してしまったのだった。

逃亡後から具合が悪くなるまでのでかちゃん

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2021/4/18撮影

4月去勢手術後、カラーが似合ってるでかちゃん。

 

 

逃亡したものの、あっけなくおうちに帰ってきたでかちゃん。

 

よい子なのは変わらず。そして、スプレー行為と「でかちゃんを!外に出して!」の鳴き喚きも変わらずで、ねこ用記録ノートに「でか:う!る!さ!い!」というメモがある日残してあった。思わずメモってしまうぐらいにはうるさかった。


4月に去勢手術をした。山で育ったでかちゃん、お腹の中でいろんなムシを育てていたようで、駆虫にかなりてこずってしまった。なので、手術が遅れてしまった。去勢手術後、まずスプレー行為がどんどん減っていった。これは助かる。なぜならでかちゃんをケージから出してお部屋で自由にさせている時は、いつスプレーされてもよいように張り付いて見張っていたから。スプレー行為自体を止めることはできないけど、された後の対処は可及的速やかにできた方がよい。

続いて夜中の鳴き喚きが無くなっていった。夜中の鳴き喚きに関しては、単にお外に出たいという欲求からくるものだけでなく、発情期も絡んでいたのかな。恐るべし、ホルモン。耳栓ナシで朝まで目覚めずに眠れるのは本当にありがたかった。

 

バイオレゾナンスも定期的に通っていた。数えてみたら、逃走後から具合が悪くなるまでに7回セラピーを受けている。でかちゃん全体の状態が回を重ねるごとにどんどん整っていった。なので、セラピストさんから解毒のプログラムを提案してもらい、そのセラピーを受け始めていた。

 

8月8日新月の日、ハハちゃんという我が家で最年長の子があちらに旅立ったのだが、7月末くらいから状態があまり芳しくなく、でかちゃんは日々元気いっぱいだったこともあり、わたしの意識は完全にハハちゃんに向かっていた。ハハちゃんの看取り後すぐは、久々の看取りだったこともありかなりの抜け殻状態だった。

 

その抜け殻フェーズからそろそろ脱するんじゃない?と自身でも感じられるようになった8月末のある日。でかちゃんが自分のお部屋であるケージから全く出てこないことに気づいた。もちろんケージの扉は開放してある。一歩も出てこないでひたすら眠っている。ただし、ごはんは食べていた。大盛りごはんを必ず完食していた。でも、いつもより食べるスピードが遅いような気がして、なんとなく引っかかっていた。

その頃、お盆を抜けたというのに真夏の暑さがぶり返して、気温がかなり高くなる日が続いていた。帰ってきた暑さに、わたくしニンゲンもちょっとうんざりしていた。だからもしかしたら、でかちゃんも暑さにやられたのかなーと思ってしまった。山育ちのでかちゃん、山の中には暑さをしのぐ場所なんかいっぱいあっただろうし、勝手が違うおうちの中で夏バテかな、と。

ところが、8月29日にとうとうごはんを食べなくなった。

その時のメモ。

あさごはん:ほとんど食べない。手からほんの少し食べた

よるごはん:興味なし。ノータッチ。

徐々に食べなくったわけではなく、突然一切食べなくなった。ごはんを出してもプイッとよそを向く。あーー。ちょっとまずいやつかな。

白血病エイズ、どちらかが発症」という最悪なフレーズが脳裏に浮かんだのだけど、その時のわたしはそれを直視できず、慌てて浮かんだフレーズをかき消した。

 

翌日たまたま、獣医でお腹の中のムシの状態を診てもらう予定をしていた。連れて行ったついでに様子を伝えて併せて診てもらおう…まだこの時は、危機感とか緊迫した気持ちとかまるで持ち合わせていなかった。翌日、Mくんが獣医に連れて行ってくれた。

 

でかちゃん診察予約をしていた時間からほどなくして、獣医にいるMくんから電話がかかってきた。

 

(電話かーイヤだなー緊急なんだろうなーイヤだなー出たくないなー:わたしの心の声)

 

「熱がかなり高い。状況からみて白血病の発症の可能性が相当高い。詳細に診たいので血液検査を行う。レントゲンも撮る」

これらのことをMくんは一気にわたしに伝えて、電話を切って診察に戻って行った。

 

数日前にかき消したはずの最悪なフレーズが、たった今ドーンと現実のこととして目の前に立ちはだかった。

 

【猫白血病ウイルス感染症、発症の可能性】

 

Mくんからの電話を切った後、わたしは何も手がつかなくなった。ただ呆然として、Mくんからの次の連絡を待つことしかできなかった。

でかちゃん、逃亡する

再検査の後すぐぐらいから、でかちゃんのお散歩を始めてみた。あんまりにも「外に出せー!」の訴えが激しく、でもでかちゃんひとりで行かせる勇気がないわたしは、でかちゃんにリードをつけて一緒にお外を歩くということを始めてみた。うちからほんの100メートルくらいのところまで行って帰ってくる…というその程度のお散歩だった。それでちょっとは気が紛れてくれるかなーとささやかな期待をしていた。

 

ねこ様がリードつけてお散歩なんてきっと非難の対象案件なんだろうけど、もうね、生粋の心配大好き奴隷としては、できなかった…どうしてもできない…。病気もあるし、せっかく身体うんとキレイになったし(何日もかけて少しずつ蒸しタオルで拭いた)、たっくさんあったケガもだいぶん治ってきているし、そして今外は極寒だし、事故にあう可能性だってあるわけだし‥んーまだまだわたしの中で正当化している「できない」理由もしくは言い訳はあるけど、もうやめておこう。とにかく、わたしが心配で苦しくなるのがイヤだからできませんでした!!!!!!!以上!!!!

 

今年の2月3日、事件は勃発。

いつも通りハーネスつけてそれにリードをつけて、お外をお散歩しに行った。わたしも一緒に歩くことに少し慣れてきたので、その日踏み入れたことのない場所に初めてでかちゃんと突入した。……と同時に。リードの先のでかちゃんが今まで見たことない動きをした。ピョーンピョーンと跳ねながら身体をねじるような感じ。「あ、これヤバいやつだ」とすぐに気づいたけど、わたしの「すぐ」よりでかちゃんの逃走欲の盛り上がりの方が早かった。「えっっっっ!」とわたしが焦りながらでかちゃんを抑えようとする手が届く前に、でかちゃんはハーネスからスルリと抜けて、あっちに駆けて行ってしまった。

 

うわーーーーーーー!逃げたーーーーー!!!!と取り乱しそうになったけど、でかちゃんをおびき寄せるためのおやつとかも今持ってないし、追いかけたら追いかけた分逃げられるのみ。ここは見送るしかないな…。でかちゃんは、背の高い枯れた茅を巧みに避けながら走り去っていく。小さくなっていくでかちゃんの後ろ姿をずっと見ていたら、あいつ、一旦止まって振り返ってわたしの方を見たんだよね!!!キーー!腹たつ!笑。そして、再び進行方向に振り返りなおして、急斜面を駆け下りていってしまった。

 

ひとまずおうちに帰る。「あー!やっちゃったよ!わたしのバカーー!」と後悔もしたけど、その気持ちはさほど長持ちしなかった。そもそも自由を満喫していたでかちゃんをわたしの一存でおうちに入れてかくまってしまった訳だし。彼がお外の方が断然イイ!と思い逃走したのなら従うしかあるまい。

あとは、確信していたから。何せ、来る日も来る日もうちの軒先で、朝夕1日2回ごはんを食べていた実績があるんだ。必ずここに帰ってくる。腹減ったら、絶対100%間違いなく帰ってくる。はず!

 

その日の夜、でかちゃんの夜の鳴き喚きがない我が家は、恐ろしいほどに静かだった。

 

翌日の午前8:00頃。うちの他ねこたちにごはんをあげて、朝のてんやわんやが少し落ち着いた頃、ふと窓の外を眺めた。本当に何の気ナシに。なんとなく外に目をやった。

そ・し・た・ら!!!

うちの前の坂道の下のほうに、何やら動いている小動物が見える。

「でかちゃんじゃん笑笑笑」

でかちゃんはゆっくりとこちらに向かって坂道を登ってきているように見える。

「帰ってきたんだ笑笑笑」

はやる気持ちをぐいっと抑え込んで、でかちゃんがうちの庭に到着するだろうタイミングを見計らって、慎重に外に出て行った。

庭に入ってきたでかちゃん、わたしの顔をみて一声。「にゃーーーー!」(訳:ただいまーーーー!)

ほらね。帰ってきたよ、でかちゃん涙。

わたし「寒かったでしょう、楽しかった?」

でか「にゃ、にゃーーー!」(訳:うん!でもお腹すいたーー!)

わたし「よし、じゃあごはん食べようね」

わたしは慌てず慎重にそーっとでかちゃんを抱き上げ、ゆっくりおうちの中に入った。

 

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うちに入ってから、たらふくごはんを食べて、そして眠りについた出戻りでかちゃん。の写真。

 

前日の逃走のことを娘に伝えていたので「今帰宅しました」と報告したら娘は一言。

「はやっ!」

うん、早かったねー。予想以上に早いご帰還だった。

 

でかちゃん朝帰りの旅のお土産は、二箇所のすり傷。この短時間で一体全体、あなたはどこで何をしてきたのか???

でも、ま、いいや。帰ってきたんだし。楽しかったみたいだし、いいや。

 

 

でかちゃん、再検査をする

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2020/12/27撮影


次回の獣医での診察で、FeLVとFIVが陰転しているか?持続感染か?を明らかにするための再血液検査が決まっているでかちゃん。なんとか陰転することを目指して走り出したわたくし奴隷。MMSを日常に導入し、バイオレゾナンスセラピーを受け始めた。

次回検査まで1ヶ月少し、それまでにでかちゃんはバイオレゾナンスセラピーを3度受けた。毎回少しずついろんな結果が違っていてそれがとても面白かったのだけど、一貫していたのは「全体的なエネルギーの高さ」「ストレスのなさ」だった。あれだけ「外に出せ!!!!!」と大騒ぎしているにもかかわらずストレスを感じていない、と。苦笑。いや、でもあの大騒ぎっぷりを目の当たりにするとエネルギーが高いということに関してはイヤでも納得できる。

セラピーを受けに行く道中も、毎回かなりハラハラしていた。でかちゃんをキャリーに詰め込んで運転するのだが、「出せ!出せ!」と大騒ぎついでにあろうことか、キャリーの網目部分を口でかじって破壊して、穴を開けてしまったのである。なんというパワーなんだ。マジ焦ったよこの時は。とりあえず路肩に緊急停止。仕方なく手持ちのタオルをキャリー全体にかぶせて、目的地に向かった。

後日、当然なんだけど絶対壊せない材質のキャリーを購入した。

 

2021年1月28日の再検査。

結果は、陽性。「進行性で確定ですね」少し低めのトーンでそう伝える獣医さんの声が未だに耳に焼き付いている。他の結果として「慢性炎症」を表す数値が高いのが心配材料であること、これはFeLVとFIV由来だと思われる…と獣医さんは続けた。わたしもほんの少しだけショックだった。でもこれからの道のりをどうやってでかちゃんと歩んでいこうか、即座に模索していた。

帰宅後すぐにセラピストのJさんにメッセージを送った。今後は発症をしないようにバイオレゾナンスを取り入れていきたいこと、そうこうしているうちに陰転しないかな(希望)、→その可能性もゼロではないと獣医さんも言っていたこと、一旦MMSの投与は止めてみることにする…などとわたしは書き連ねていた。

Jさんからの今後のセラピーの提案は、「月1もしくは3週に1回で、でかちゃんのエネルギーをキープ、弱ってくる経絡の活性をしていきましょう」というものだった。

 

この頃実は、でかちゃんをおうちに入れた影響なのか、うちにいる他ねこたちの具合が次から次へと悪くなっていて、まあまあこころがくたびれていた。

 

はあああああ!でもな!がんばるしかないよな!

そのときのメモを見つけたので掲載。

「でかちゃん自身は別に、病気がイヤだとか思っていないんだよねきっと。わたしが勝手に(病気、かわいそう)(これから辛いこと待ってるかも)(苦しいのはイヤだ)って思ってる。それってどうなん?でかちゃんが思ってもないことをわたしが勝手に思うのってどうなん???」

全くもってその通り笑。勝手にわたしだけで「かわいそう…」って盛り上がるのやめよう!とこのメモの後には続いていた。「今日この日を精一杯でかちゃんと共に生ききろう!」ともあった。

当時のわたし、なかなかナイスな意識の転換。

 

おうちの中でのでかちゃん

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2021/1/26撮影 わたるのごはんにお付き合いするでかちゃん

とにかく性格がよい。誰にも怒らない。うちに入ってからうちの他ねこにウーとかシャーとか、威嚇したところを一度も見たことがない。それはニンゲンに対しても同じで、爪を出してこちらに向かってきたり怒ったりしたことがない。ねこにしろいぬにしろ、人馴れさせるためには幼い頃から人の手が介入した方がよいようないわれがあるけど、でかちゃんの存在は割とそれらを否定している感がある。つまるところ個体差でしかないのかなぁと感じる。人馴れするのにめちゃ時間が必要な子もあっという間にニンゲン大好きになれる子も個体それぞれで、標準化された答えはないと感じている。

 

でかちゃん、名前はその身体のでかさが由来なのだけど、身体に見合った食欲でまあよく食べる!ニンゲン以外の動物は特に、食べること自体がその子の持つエネルギー量の指標となるので、でかちゃんの食べっぷりを見る度に「頼もしいなあ」とうれしく感じていた。

 

そして、悩ましかったのはスプレー行為と夜中に鳴き喚くこと。
いずれも(申し訳ないのだけど)去勢手術を終えるまでの辛抱と割り切り、なんとか今を乗り越えようと努めた。「泣き喚く」については、夜中にわたしが目を覚まして若干の寝不足傾向にあったので、耳栓をして寝ることにして解決策とした。スプレー行為についてはほんっとにひどくて、歩きながら何気なくピューっとやっちゃうから目が離せなく大変だった。そして尿もFeLVとFIVの感染経路となるんだよー。他ねこたちのことを考えると、放置する訳には行かなかった。にしても、やっちゃうところというのはだいたい決まってきていたので、そこにペットシートを貼り付けてそれでおしっこを吸収することにした。ので。そもそも目指してはいなかったけど、オシャレでステキなわたしのおうち☆なんかは希望することすら諦めることになる。現在でかちゃんのスプレーはないのだけど、でかちゃんをおうちに入れたことで「眠れるオス」のスイッチが入っちゃった子がちらほらおり、その子らがやるのよースプレー。なので、ありこちに貼り付けたペットシートたちは、そのまま維持継続のわたしのステキなおうち。

 

外に出せ!という要求もそこそこ激しかったのだけど、それは「申し訳ない」とこころで唱えつつ、知らんぷりしていた。タイミングを見計らって、ハーネス&リードをつけてお散歩してもよいのかなというアイデアはいつも持っていた。

 

総じてよく食べよく出しよく鳴く、元気いっぱい!何はともあれ全ての挙動が規格外で、そのフルパワーにわたしは日々圧倒されていたのであった。